まちづくり活動の中でフリーペーパーを作ることがあります。
基本的に情報発信の手段の一つとして活用しますが、フリーペーパーより先にホームページ(HP)の作成を推奨しています。

ここではHPがある前提で記載します。

弊社は、まちづくり活動で100以上のフリーペーパーを制作してきました。持続可能な運営のポイントをご紹介します。

【手法の検討】
フリーペーパーはあくまで情報発信手段の一つです。ページ数が増えるとコストが上がり、掲載費を徴収する場合は広告としての費用対効果が求められます。
例えば、チラシで簡易に情報を発信しHPへ誘導すれば、コスト削減と情報更新が容易になり、広告効果が高まる場合があります。
また、フリーペーパーを簡易版とし、詳細をHPに掲載する方法もページ数が減ることでコストが下がり有効です。

一方で、フリーペーパーには以下の利点もあります。
・チラシからHPへの誘導が難しい場合でも情報が届きやすい。
・質感があり、ブランディング力が高い。
・紙媒体の方が情報の信頼性や記憶への定着が高い(エビデンスあり)。
・企業が紙媒体に対して掲載費を出す傾向が強い。

制作時は以下の3つの手法を検討するとよいでしょう。
⑴フリーペーパー(詳細情報)
⑵フリーペーパー(簡易情報)→HP(詳細情報)
⑶チラシ→HP(詳細情報)

【コンセプト戦略】
フリーペーパーでもHPでも、明確なコンセプト設定が重要です。
他とは違う、強みや差別化が重要となります。
ターゲット(誰がどのような動機で見るのか)を明確にし、情報を確実に届ける方法を考えましょう。
ターゲットに届く根拠を示せなければ、広告掲載費を得るのは困難です。
掲載内容は以下に分類されます。
・掲載費が取れないが必要な情報
・掲載費が取れ、広告感を薄めるために記事や取材形式で提供する情報
・掲載費が取れるが必須ではない情報(全体の3割以下を推奨)

【収支設定】
地域の小規模事業者は高額な掲載費を払えない場合が多いため、負担可能な金額設定と、大口掲載の料金帯を設定し、売上や商品単価が高い企業からの収入を軸にすることが効果的です。
普段広告を出している業態や企業を探してみて、企業に沿った提案をつくりましょう。
※参照:営業は提案であり、使い方提案で結果が10倍変わる

主な掲載枠と掲載費増加率は以下の通りです。
・通常枠:一般の広告枠
・表2(表紙裏):通常枠より+20~30%増
・表3(裏表紙裏):通常枠より+10~20%増
・表4(裏表紙):通常枠より+30~50%増(場合により倍額)最も高額で目立つ

掲載費設定時は他媒体と比較し、ターゲット層への訴求力や配布数を基に設定しましょう。またHPやSNS連動で掲載費を引き上げることも可能です。

効率化による人件費削減も重要です。
・情報収集は指定項目を決め、申込フォームを利用し重複確認を避ける。
・毎月定期の情報はGoogleフォームやスプレッドシートで一元管理する。
・掲載費が高いと営業時間が増え人件費が増えます。その辺も考慮し掲載費設定をする。

印刷はネットプリントが安価ですが、地元印刷会社のほうがデータ確認に優れている点に注意しましょう。
ネットプリントは会社によって安い商品が違います。また、3万部刷る際に、1万部×3注文の方が安い場合もありますので、印刷の際は両方の価格帯を見る事をお勧めします。
ページ数と部数が多い場合は、地元の印刷会社の方が安い場合もありますので、見積をもらう事をお勧めします。

【制作ポイント】
・ラック設置を考慮し、タイトルは上部に配置して認知度を上げる。
・非営利活動なら自治体や地域団体への依頼で無料設置が可能な場合がある。
・ラックの空きスペースを他企業に販売し収入源にすることも検討。
・毎回使えるテンプレートを作成し、制作コストを抑える。
・取材後の文章はChatGPTなど生成AIで正文化。
・広告期間が長い年間誌の方が掲載費を取りやすい。
・デザインは専門デザイナーに依頼。
・印刷前のデータ確認を必須とし、契約書に刷り直しに関する内容を盛りこみ、リスク回避を明記する。







この記事はノウハウの一部を簡潔に紹介しております。
手法・事例の詳細は文字では全て書ききれない為、省かせて頂いております。
伴走支援では、プレイヤーの事業を通してノウハウを活用し支援・育成を行っております。