私の仕事は、まちづくりプロジェクトの運営です。
中心市街地、空きテナント対策、商業、観光、若者、農業、教育、スポーツ等様々なプロジェクトを運営しており、それらの解決方法として様々な「企画」をつくります。
企画の種類としては、イベント、媒体製作、各種キャンペーンの立ち上げ、共同販促などです。


形があるものとは違い、形のない「企画」をつくるノウハウを伝えるのは、本当に難しい。それらを理論立てて、マニュアル化し、多くの人が理解しやすいようにすることを人生の目標に据えて日々活動しています。この記事制作もその一環です。


企画の構築は難しい作業ですが、今日は1つポイントを紹介します。
それは「企画はシンプルに」です。


どんな企画にも、情報を伝えたい対象者がいます。イベントであれば、参加者ですね。
分かりにくい企画だと、イベントの参加者は少なくなるでしょう。長年の経験から、企画内容をシンプルにすればする程、集客が得られます。


企画をシンプルにするポイントを3点挙げたいと思います。

①企画内容を絞り込んでシンプル化する
イベント企画の場合で考えてみましょう。運営側は少しでも多くの参加者を集めようと、イベントにいろいろな要素を「足し算」しますが、逆に「引き算」した方が良い事の方が大半です。
人の頭の中のイメージは100%が上限です。

例えば、イベントのタイトルとして「犬フェス」と「犬&猫フェス」があったとします。
「犬フェス」のイメージは犬100%。犬が好きな人が集まります。
「犬&猫フェス」が発信するイメージは犬100+猫100=200%にはなりません。犬50+猫50で100%にしかなりません。いずれのイメージも半減し、犬好き、猫好き両者に対する訴求が弱くなります。結果、どっちつかずで集客が減ることになるでしょう。
同時に満足度も下がります。
犬関係の店舗が20店の場合と、犬関係10店、猫関係10店では前者の方が犬好きには満足度は高いでしょう。勇気をもって企画内容を絞ることが重要です。

②アイデアを削ぎ落としてシンプル化する
大まかな企画内容を決めると、次は実際に何をやるか。具体的なアイデアが複数出てくるでしょう。ただ、多様なアイデアを尊重したいという気持ちは分かりますが、何でもかんでも詰め込むと、複雑化してイベントのイメージが凸凹と分かりにくくなっている事が多いです。企画のコンセプトと、イベントの中身が合っているかが重要です。①の話とも近いですが、コンセプトと沿わない内容があると、イベントのイメージが薄れます。分かり辛いという点からも相手に伝わらず集客は見込めないでしょう。
ただ、内容を少し修正するだけで解決できることも多くあります。

イベントで実施することが多いスタンプラリー。こどもの習い事に関するイベントだった場合は、単に「スタンプラリー」を実施するより、コンセプトに連動して、文具のクイズを当ててスタンプを集める「文具クイズラリー」にした方が一貫性があり、ターゲットとなる子育て世代や子どもにはシンプルに伝わるでしょう。

③告知もシンプルに分かりやすく表現
イベントのチラシを見た瞬間、タイトルを聞いた瞬間に何のイベントなのか、ターゲット層に「自分のことだ」と感じてもらえなければ、その情報は伝わったことにはなりません。
分かりやすく表現するために1番重要なのは、最初に目にするタイトルとショルダーコピーです(チラシやホームページなどの場合ビジュアルもあります)。ここで興味を持ってもらえなかったら試合終了。タイトルとショルダーコピーだけで、イベントの主要な内容と詳細を同時に伝えられたらベストです。ただ、場合によってはスポンサーなどの都合でイベントタイトルが決まっており、それでは分かりにくい事もあります。その場合ショルダーコピーで補足する事が重要です。

私が担当したイベントの事例を2点挙げます。

【イベントタイトル】こども習い事フェスタ
【ショルダーコピー】子供が学ぶ、子供を学ぶ
イベントタイトルで、子どもの習い事に関するイベントであるという主要なポイントを伝えられているので、ショルダーコピーでは更に子供に必要な習い事を親も学ぶというコンセプトの詳細までを伝えています。

【イベントタイトル】UTAGE
【ショルダーコピー】出会いのエンターテイメント
福井駅前を舞台にした男女の出合いを創出するイベントでした。男女の出合いイベントのため、直接的なタイトルは避けてタイトルは敢えて抽象的に抑えた分、ショルダーコピーで主要な内容を補足して伝えています。分かりやすく、対象者に自分事だと分かるシンプルな表現が重要です。 


企画の仕事を長年していると、思考が年々シンプルになります。
企画をやり始めたばかりのスタッフのつくる企画は、複雑なものが多いです。
シンプルにするという事は、簡単に思えて難しい事なのだと思います。

年間80本以上の企画に携わっています。
有形物と違い、無形物である企画を作るノウハウを伝えるのは、本当に難しいと思っています。
私の人生の目標は、それを理解しやすいように理論化(マニュアル化)しようと日々活動しております。
この記事制作もその一環です。


この記事はノウハウの一部を簡潔に紹介しております。
手法・事例の詳細は文字では全て書ききれない為、省かせて頂いております。
伴走支援では、プレイヤーの事業を通してノウハウを活用し支援・育成を行っております。