まちづくりのプロジェクトにおいて補助金を活用するケースは少なくないでしょう。
ただ、補助金は毒にも薬にもなることを肝に銘じてください。

補助金とは、文字通り「事業を補助するお金」です。
プロジェクトを開始、拡大、継続するための事業を補助する目的です。
一つの事業に対して継続的に支給される補助金はほとんどありません。
・事業を始めて軌道に乗るまでの補助
・自立するための補助
・チャレンジするための補助
などを目的とした補助金の設定が一般的だと思います。

組織を運営する上で一番無駄なものは「一過性」です。

最初は同じ事業Aに取り組む二つの事業者をモデルに考えてみましょう。

事業者❶依存無し
 【1年目】予算50万円(人件費込)で事業Aを小規模開催し収益はなし
 【2年目】予算100万円で事業Aを中規模開催し、収益は+50万円
 【3年目】予算150万円で事業Aを大規模開催し、収益は+100万円
 【4年目】事業Aを担当者に任せ、収益は前年同様+100万円
      並行して予算50万円(人件費込)で事業Bを小規模開催し、収益はなし
 【5年目】予算150万円で事業Aを大規模開催し、収益は+100万円
      予算100万円で事業Bを中規模開催し、収益は+50万円

事業者❷依存有り
 【1年目】補助金50万円を得て、予算100万円(人件費込)で事業Aを中規模開催し、収益+50万円
 【2年目】事業Aは自走できず、新たな補助金を探して事業Bを構築して収益+50万円
【3年目】事業Bは自走できず、新たな補助金を探して事業Cを構築して収益+50万円
 【4年目】事業Cは自走できず、新たな補助金を探して事業Dを構築して収益+50万円
 【5年目】事業Dは自走できず、新たな補助金を探して事業Eを構築して収益+50万円
 
事業者❶は事業Aを小規模から始め、生産性を持って継続できるように育てて事業を資産化し、新たな事業Bを生み出してプロジェクトを育てています。
5年目では、2つの事業と150万円の収益構造が構築されています。

事業者❷は補助金に頼ってスタート時点で中規模の事業を行えていますが、すべて継続できていません。事業が一過性の「掛け捨て」となり、プロジェクトとして育っていません。 
補助金を探して事業を立ち上げ、また違う補助金を見つけて違う事業を立ち上げる。
これほど非効率で、無駄で、損をしている事はありません。
こういう状況では毎年、補助金探しに貴重なエネルギーを費やすことになるでしょう。
0から1を生み出すエネルギーと、1を2に育てるエネルギーでは前者の方が大きなエネルギーを使います。エネルギーの使い方が非効率です。
また、人件費(自分の時間含む)を費用として考えていないことも原因にあるかと思います。
参照:人件費を考える事が収益構造で重要

極端な例ですが、事業者❷の概念になっている方が少なくないのではないでしょうか。
大事なのは、プロジェクトを運営(経営)する「生産性の概念」です。
この概念があるかないかで、補助金は毒にも薬にも変化します。
もしも事業者❶が補助金を活用すれば、1年目から事業Aを中規模開催し、1年早く事業構築ができて補助金は「薬」となったでしょう。
事業者❷は補助金に依存ししているだけ。エネルギーを無駄に使い掛け捨てし続ける結果となっており、補助金は「毒」として作用しています。

気を付けてもらいたいのは、事業は継続性だけが重要ではありません。
例えば、プロジェクトの賛同者を増やすため、認知度を上げて加盟店を増やす、HP等の情報インフラを構築するなどの理由でプロジェクトを育てるため、計画的な一過性の事業を行うために補助金を活用する場合もあります。
ですので、一過性での活用が必ずしも悪いわけではありません。

重要なのは自分の中に「補助金があるから何かしよう」「補助金ありきでしか事業を考えられない」という「依存の概念」があるかないかです。 
「生産性の概念」をもって戦略的に投資として補助金を活用しているかが重要です。
同じ事業でも、この概念の違いで事業の形は大きく変わります。

補助金の使い方、考え方が事業者の生産性を奪うケースは多々あります。
補助金依存型の一過性の事業は実はエネルギーを大きく損している、プロジェクトが全く育たないという事を理解し、事業と補助金の使い方を見直してみると良いかもです。
あなたの「概念」が、プロジェクトの失敗を引き起こしてるかも。


この記事はノウハウの一部を簡潔に紹介しております。
手法・事例の詳細は文字では全て書ききれない為、省かせて頂いております。
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