圧倒的トッププレイヤーの重要性

まちづくり活動は、似たような規模やレベルのものが多く、そのため全体のレベルアップが難しい傾向があります。
この記事では、「圧倒的トッププレイヤー」が地域に与える影響と、その重要性についてお伝えします。

地域には必ず「トッププレイヤー」がいますが、私が強調したいのは「圧倒的」な存在のことです。圧倒的トッププレイヤーが生まれることで、まちづくり活動の基準が大幅に高まり、結果として地域全体のレベルが底上げされるのです。

スポーツも同じ

スポーツ界では、プロリーグが設立されるとその業界のレベルが飛躍的に向上します。これは、趣味や片手間だった活動が本業化し、活動に割ける時間が増えるためです。

さらに、非常にレベルの高い選手が登場すると、そのレベルを基準に周囲も成長します。同じ練習量でも、レベルの高い環境と低い環境では成長の差は歴然です。ある日突然、非常に優れた選手がチームに加わることで、全体のレベルが一気に上がるのはよくある話です。

事例1:私自身の経験

私はボランティアとして多くの大型イベントを成功させてきました。
規模的には同業種イベントでは地域トップでしたが、それでも一般的に数多く要るイベントプレイヤーの1人に過ぎませんでした。
しかし、2015年に空きテナントが10年以上増え続けていた福井市中心市街地で、空き店舗を埋めるプロジェクトを実施し、1年間で22店舗の誘致に成功しました。 そこから中心市街地は活性化しました。

一般的なイベントではなく、空き店舗を埋めるという具体的かつ圧倒的な実績を残したことで、私は一躍圧倒的トッププレイヤーとして認識されました。その後、私自身だけでなく地域の他のプレイヤーのレベルも向上しました。

事例2:高校生伴走支援者

あるプロジェクトで、高校1年生の伴走支援を行った結果、大きな成果を出したトッププレイヤーの高校生が誕生しました。
その後、自治体から高校生に予算を与えずにイベントを企画運営するプロジェクトの依頼を受けました。当初の想定参加者数は約10名でしたが、実際には25名が参加。そのうち半数は、このトッププレイヤーの高校生に憧れて参加したとのことでした。

このプロジェクトは成功を収め、翌年には60名近くが参加し、イベントの質もさらに向上しました。たった一人の圧倒的トッププレイヤーが壁を破ったことで、常識が変わり、新しいプレイヤーが次々と生まれました。


事例3:大人の伴走支援者

あるエリア再生の依頼で、年間イベント数が5件しかないエリアで活動を増やしてほしいという要望がありました。プレイヤー不足と聞いていましたが、実際に募集しても10名弱しか応募がなく、全てイベント未経験者でした。

しかし、伴走支援を始めて間もなく、一人の女性がイベントを実施して大成功を収めました。その成功が他の人々を刺激し、伴走支援の依頼が増え、イベント数は激増。 その女性は圧倒的なペースで成功事例を積み上げました。結果的に、その女性は地域の圧倒的トッププレイヤーとなり、それを参考に他のプレイヤーも増え、地域全体の活動レベルが上がっています。
1年後には5件⇒76件と14倍以上となりました。

まとめ

こうした事例は他にもたくさんありますが、まちづくり活動のレベルアップに最も効果的なのは、「圧倒的トッププレイヤー」の存在を生み出すことです。
「うちの地域にはプレイヤーがいない」と相談を受けることがありますが、実際にはどの地域にもプレイヤーになり得る人が多く存在します。

プレイヤーになり得る人とは「地域を良くしたい」という想いを持つ人です。そのような人は必ずいますが、きっかけがないだけです。
踏み出すきっかけを提供し、それを支援する仕組みを整えることで、新しいプレイヤーが生まれ、育ち、地域全体が成長します。


この記事はノウハウの一部を簡潔に紹介しております。
手法・事例の詳細は文字では全て書ききれない為、省かせて頂いております。
伴走支援では、プレイヤーの事業を通してノウハウを活用し支援・育成を行っております。