「広報」は伝える事が目的です。
例えば、ポスターやフライヤー、WEBページなどのオシャレ、カッコイイは伝える為の手段の1つでしかありません。しかし、オシャレ、カッコイイに固執し、本来の伝えるという点がおろそかになっている事例は少なくないです。

以前、企画は「制作」「広報」に作業を分けるというノウハウを紹介しました。
制作したら終わりでなく、広報をしないと集客は出来ないという内容です。
※参照:企画は「制作」「広報」と作業を分ける

広報も2つの作業に分けて考えることがポイントです。
「制作」と「届ける」です。
広報物の「制作」にはリソース(人材、予算等)をかけているけど、「届ける」にはリソースを余りかけていないケースが多いように感じています。
広報物は制作しても、人に届かなければ意味を成しません。
チラシを印刷したけど、大量に余ってしまった。そんな経験をした方もいるのではないでしょうか。

「制作」が良くても届けないと伝わらない。
「届ける」が出来ていても制作物が悪いと伝わらない。
この2つは表裏一体です。

▽「制作」について
広報物の制作の中心となるデザインのポイントについて考えてみましょう。

・見て2秒でターゲットに自分事と訴求できるデザインか。
・企画内容とデザインが合っているか。
・コピーでしっかり伝えられているか。

この3点が大事です。
私は、広報物はシンプルで分かりやすくなるよう常に意識して制作しています。
自分の頭の中でシンプルで分かりやすいデザインのアイデアが浮かんだとしても、デザイナーにそのテイストを正しく伝えなければ意味がありません。私は、イメージに近いデザインテイストをネットから複数見つけてデザイナーに提示し、意思疎通のミスをなくすように心掛けています。
※参照:デザインの発注の仕方

そして、最も重要なのはコピーです。私はデザインより、コピーの方が大事だと考えますが、逆の考えの方が多いように感じています。
デザインは広報物を見る人を引き寄せ、企画のイメージを伝える事ができますが、内容、結論までを伝える事は出来ません。
同じデザインでもコピー次第でデザインの意味合いは変わります(下に参考画像あり)。
多くの人は広報物を目にした後、タイトル名、ショルダーコピー、ボディーコピーなどを目で追いながら企画の事を理解します。さらに参加者が興味を示しそうな内容を見出しコピー(吹き出し)などで表現する事で、参加者の興味を行動に変えることができます。

コピーの作り方は非常に大切です。
コピー作りはノウハウ化されており、多くの書籍が販売されていますので勉強することをオススメします。 
デザインの目的はパッと見て引き寄せたり、イメージを伝えたり、見やすくしたりすることが主なものになると思います。
デザインは超超超大事ですが、コピーもそれ以上に大事という事を意識してください。

下記は商店街のPRで成功したポスターの事例です。
先ほど「コピーでデザインの意味合いが大きく変わる」と強調した意味が分かってもらえると思います。

上手い!!


▽「届ける」について

制作した広報物を「届ける」について次は考えます。
イベントで例えると、広報の手法は、チラシ、ポスター、SNS、WEBサイト、フリーペーパー掲載などが主になるでしょうか。
制作したものをしっかり届けなければ、意味がありません。

・チラシ、ポスターなら対象となる人がいる場所に設置する。
・SNSは自社、関係者アカウントの広報だけでなく、有料広告も効果的です。
・WEBサイトは無料でイベント情報を掲載してくれるものが多数あります。
WEBサイトは地元のサイトを中心に探してみると無料掲載のものも多く効果的かと思います。子供向けのイベントの場合は、無料で掲載できる全国版のサイト「いこーよ」もあります。
・フリーペーパーはターゲットに沿うものを選んで活用しましょう。
・パブリシティ(マスコミ)は無料で最高の広報手段で、非常に重要です。 
 ※参照:パブリシティ(マスコミ)広報は無料の「最強広報」

広報物を通じて情報を発信しても、受け取った人に行動を起こさせるまでの「導線」が整備されているかどうかも意識する必要があります。

・一つの広報物で必要な情報をすべて伝えられているか?
・広報物からWEBサイトに誘導して完結するのか?
・WEBサイトへ誘導する際の検索ワードは示してあるか?

例えば、パブリシティで広報してもらっても、WEBサイトからしか詳細が分からない、予約ができないのであれば、WEBサイトに誘導するための導線が必要です。
検索ワードを伝えるのか、QRコードを掲示するのか。
パブリシティで取材されたけど、そこから先の情報の導線が不明瞭なものを見かけることがあります。導線が分かるような記事になるよう自分で記者に伝えないと掲示してもらえない事も多いので、常に導線の意識が必要です。

SNS広報でも、フェイスブック投稿ではリンクを張れますが、Instagram投稿ではリンクが張れません。Instagramとフェイスブックの紐づけ投稿を良く見ますが、リンク張る場合はその辺を気にして投稿した方が良いです。

例えば、Instagram投稿だけで情報が完結しない場合、自分のアカウントならプロフィールからURLリンクに誘導ができますが、他のアカウントの場合はプロフィールが違うため、導線として検索ワードを示すことが必要になるので投稿内容を変える必要があります。
知り合いに拡散を依頼する場合もその人任せにせず、情報がしっかり届く文章をサンプルとして送る方がよいでしょう。自分のアカウントの投稿をそのままコピペしたら導線が途切れてしまう場合もあります。

届ける時は、常に情報の導線を気にする事が大事です。
導線を意識しないと、せっかく広報物を制作しても結果的には「届いていない」事になってしまいます。
広報は「伝える」という本来の目的に立ち返り、作業を「制作」と「届ける」に分けて戦略的な広報計画を立てるようにしましょう。


この記事はノウハウの一部を簡潔に紹介しております。
手法・事例の詳細は文字では全て書ききれない為、省かせて頂いております。
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